国吉佐知子 Sachiko Kuniyoshi
犬とあなたのドッグライフをデザインし、サポートする
Being S Dogs では、犬とあなたの関係性を見つめ、よりよい関係を惹き出すサポートを行っています。
犬と人のコミュニケーションが深まるワンダフルドッグフィールドでお待ちしています。
メディア等掲載・実績
- fuluドキュメンタリー出演
- 地域情報誌「レアリア」掲載
プロフィール
2013-2022年 ディスクドッグ世界選手権「USDDN世界大会」に出場
2022年 ドッグダンス競技会で、ビギナー・インターメディエイトクラス・アドバンス各クラスで1位を獲得
2023年 イギリスCrufts展に日本代表として参加
2023年10月 「Wonderful Dog Field MIDGET」をオープンする
2023年11月 クラウドファウンディングに挑戦、目標金額達成
ストーリー
with Happiness
犬と人の“より幸せな未来”の為に
「しつけの概念」を変える
今でこそ“犬と一緒にドッグスポーツを楽しみながら国内外の旅を楽しむ生活”を送っている私。
以前はイチ飼い主として、皆さんと同じ悩みを抱えていました。
幼少期から人生のほとんどを犬と生活し、24年前、本格的に「犬」の勉強を始めます。
当時は、まさか自分がトレーニング法をお伝えする立場となるとは思っていなかったし、トレーニングフィールドと、インドア教室を持つことになるとは想像すらしていませんでした。
そんな私が、なぜ、ドッグトレーナーとなったのか。
なぜ、フィールドとインドアレッスン場を併設した住まいを選んだのか。
刑事犬カールとその訓練士に憧れた子ども時代
幼少期、犬アレルギーで喘息が出たことによって、犬を手放す経験をした私。
余計に犬を飼いたい願望が強まり、映画やドラマの中の、まるで人の言葉を理解しているかのような賢い犬たちに強い憧れを抱く子ども時代を過ごしました。
中でも1番の憧れはドラマ「刑事犬カール」。
若い女性訓練士と賢いカールの間には、信頼という糸で繋がっているように見えました。
「いつか私も犬とそんな関係を築きたい!」
強く憧れた12歳の頃の“相棒犬”は、庭での犬小屋暮らし、近所を散歩するだけの飼い方でした。
「これは私の描いていた犬との生活ではない……大人になったら自分で自分の犬を飼おう!」
初めて自分で迎えた犬はミニチュアダックス
自らしつけをして、ドライブや旅行を楽しみたい。
「子どものころ憧れていたドラマのように賢い犬に育てよう!!!」
しかし、2ヶ月齢でやってきた小さな仔犬に向き合うことは、想像していたよりも、はるかに難しかった……!
潤んだ瞳で抱っこをせがむダックス。愛くるしくて、たまらない。
でもその一方で、なかなかトイレを覚えない、歯磨きや耳掃除など、されたくないことは嫌だとハッキリと主張してくるのです。
「この子は私の言葉を理解しているのだろうか?」
「私はどうしたらこの子を理解できるのだろうか?」
犬にだって当然「心」がある
ダックスが5ヶ月齢の時、インターネットは今ほど普及していませんでした。
その当時に出会ったしつけ教室は、犬の気持ちをメインに教えてくれました。
この教室では“褒めてしつける”がベース。
ここで出会った女性訓練士さんが、私の夢を現実に1歩近づけてくれました。
人に伝えられるくらい自ら学べば
自分の犬のことはもちろん
知識も身につき 犬も人も幸せになれるかも
ここで教わった犬のしつけインストラクター養成講座で、犬の行動学・心理学・学習理論・トレーニング技法のノウハウを、ダックスと共に学ぶことを決めます。
気がつけば子どもの頃から憧れだった訓練士さんに近づこうとしていました。
私が「インストラクター養成講座」を選んだ理由は、“オーナーさんへの伝え方”も学べるカリキュラムだったから。
犬の心理はもちろん、人の心理学も学びます。
人にも犬にも、同じように心があり気持ちがあることを、講座を通して深く知るようになったのです。
ドッグスポーツとの出会い
「人の社会で暮らすためには、人が、犬にマナーを教える」ことがしつけ。
それを、どこまで理解しているかの目安となるのが、試験や競技会です。
私も、家庭犬テストにチャレンジするという目標をたて練習に励んでいました。
“テストに合格する”ことにフォーカスしていると、自分に意識が向いています。
当時の私は、犬の気持ちを汲み取ることができませんでした。
「犬が言う事を聞いてくれない……何度も教えているのに、なぜ覚えてくれないの」
上手くいかないことを、犬のせいにしていた時もありました。
悩んでいる私に、しつけインストラクターの先輩である獣医師の友人がアジリティを勧めてくれました。
「ダックスでも楽しめるドッグスポーツがあるから行ってみない?」
その時に見た黒いラブラドールが、指示通り楽しそうに走る姿に惹かれ、一瞬にしてドッグスポーツの魅力にハマりました。
犬が望むのは、飼い主さんの笑顔
「私も犬の笑顔を引き出し、一緒に走りたい!」
その思いで、ダックスとアジリティを始めました。
ダックスという犬種特性なのか、私の言葉が伝わっていなかったのか、一筋縄ではいかないことが多々。
楽しさを見出せずにいたところ、犬と心を通わせることができた!と思える瞬間が訪れました。
「今日こそクリーンランするよ!」
小雨の大会会場で、いつも通りスタートラインに立ち走り出し、気づいたら完走していました。
諦めずに続けていたこと、天候が雨だったことも幸いしたかもしれません。
(濡れるのが嫌なダックスが急いでゴールを目指した、という説も。笑)
この経験を境に、お互いの気持ちを理解し合う大切さと喜びを感じとることが出来ました。
命令や号令をするのではなく、犬が楽しいと思える瞬間を見極め、共に喜び、楽しむ!
犬と心を通わせることが出来た、最高に嬉しい瞬間でした。
NO DOG NO LIFE
ダックスのしつけをきっかけに、多頭飼いも可能にするスキルを手に入れた私は、ドッグスポーツのメソッドを上手く取り入れることで犬本来の特性を活かし、心を通わせあえることを実感しました。
様々なドッグスポーツにチャレンジしていく中で、ディスクドッグのパフォーマンスを見た時に感じた衝撃は今でも忘れられません。
「私も、ディスクの競技をやりたい!」
生まれた時から関わって、仔犬から育て、ディスク競技を楽しみながら一緒に世界を旅する!
新たな夢が芽生えます。
わが家で生まれたイエローラブラドールのミゼットは、これまでの「しつけの学び」「ドッグスポーツでのコミュニケーション」でさらなる学びを深め、多くの課題を与えてくれた相棒でした。
実はミゼットの母犬は、初めてアジリティ競技を見に行った時に出会ったブラックラブラドールの家系の犬でした。
当時の出会いが、今に繋がっています。
犬と好きなことをしながら世界を旅する
ミゼットと叶えたかったこと。
それはディスクドッグの大会でクオリファイ(代表権利獲得)して、アメリカ世界大会に行くこと!でした。
大型犬との都会での暮らしや、ディスクドッグの練習が出来る環境を確保するためには、それなりに困難なこともありました。
練習できるドッグランを探して遠方まで通ったり、教えてくださる先生のところまで3時間かけて通ったり……
それが出来たのは、ディスクを通じて
ミゼットと信頼関係を育む実感が持てたから
まさに子どもの頃に憧れた、犬と心を通わせ、信頼という見えない糸が見えるような関係を、犬との生活や、しつけトレーニング、ドッグスポーツを通じて手に入れられたからこそ、頑張れたのでした。
そして、ミゼットが3歳の時に、補欠としてアメリカの大会に行く権利を獲得。
それから7歳になるまでの4年間で、アメリカ、ヨーロッパ、中国、日本全国遠征の旅を楽しみ、私もミゼットも、思う存分「価値観」に生きることが出来ました。
価値観とミッションに生きると決める
ミゼットが7歳になり、メインのパートナー犬を次の世代に託すことにしました。
コロナ渦の3年間を経て、世の中の価値観が大きく変わっていく中で、私自身も改めて「価値観に生きるとは何か?」を学んだり、オンラインでドッグトレーニングという自分のスキルを提供することに挑みながらも練習できる場所を求めながらドッグダンスにもチャレンジしていきます。
そして2023年3月、イギリスCrufts展でのドッグダンスの世界大会に、日本代表としてアリーナと出場することが出来ました。
この時の大会の様子はYouTubeで生配信され、日本でも多くの方から数々のありがたいお言葉をいただきました。
「犬との信頼関係に感動した」
「素敵!なぜそんなふうに出来るの?」
アリーナとのドッグダンスは”心の交流”の証。
価値観に生きることを明確にした私が、コロナ渦を経て、海外の大会に出場するという経験の中での緊張感や高揚感は、漠然と感じていた自分の将来のビジョンをより色濃く意識するきっかけとなりました。
私の犬、そしてお客様の愛犬が教えてくれた「犬と暮らすことの豊かさ」をもっと多くの犬や飼い主さんに味わってもらいたい。
そして、より幸せなドッグライフをサポートしてくれる人たちを育てたい。
犬を通じて人と繋がり、その人のドッグライフをデザインするため、犬との住まいを兼ねた、思いきりドレーニングが出来る自分のフィールドがほしい!
その思いが通じたかのように出会ったのが、今回開業することになった神奈川県寒川町の地でした。
犬は家族を超えた人生のパートナー
しつけインストラクターからスタートして、ドッグスポーツで世界を旅するようになり、自分のやりたいことを実現してきましたが、すべてが順風満帆だったわけではありません。
精神的にキツイ環境の時に、側で支えてくれたのは犬たちでした。
この子たちに守られたから、この子たちを守るためにがんばってこられた。
犬は家族と言いますが、家族との離縁や離婚を経験した私にとってはそれ以上のパートナーです。
今、ドッグドレーナーの地位は決して高くありません。
以前と比べたら増えたとは言え、犬と暮らせる賃貸物件も少ないし、都会には犬たちが思いきり走れる場所も多くありません。
そして「犬のしつけ」についても、多くの人が「訓練」や「かわいそう」というイメージを持っているのが現状です。
”しつけ”は教育ではなく犬との”心の交流”
実際に私のところに相談に来られるオーナーさんも「吠える・噛む・言うこと聞かない…」と、犬の問題行動にお悩みですが、この一見やめてほしい行動も、実は犬からのメッセージなのです。
私たちが犬に伝えたい気持ちや、やってほしいこと、やってほしくないことがあるように、犬にも伝えたい気持ちや、やってほしいこと、やってほしくないことがあるのです。
これを分かり合えたら、もっともっと犬との生活は豊かになる。
人に伝えられるくらいの知識を習得すれば、
自分の犬はもちろん、多くの犬と人が幸せになれる!
しつけを学び始めた原点に立ち返り、これまでドッグスポーツやコーチングの学びで培った経験を活かして、今こそ、このフィールドから豊かなドッグライフへのサポートをお届けしたい。
犬とオーナーさんの未来の架け橋へ
ミゼットは、私とアリーナの挑戦を応援するかのように、すでに宣告された余命を超えて、私たちをイギリスに送り出してくれました。
帰国後に、今回開業するフィールドとのご縁があり、開業に向けて横浜と寒川を行き来する日々が始まります。
ドッグトレーナーとしてのスキルでは未経験なことに右往左往する私。
ミゼットは、何事にも一生懸命取り組み、全力で遊び、飼い主に寄り添い、存在感のある、私の大切な、大切なパートナーでした。
懸命に生き、フィールドの完成間近の8月16日、虹の橋を渡ったミゼット。
ミゼットと過ごした日々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
私と一緒にディスクを楽しんでくれてありがとう。いつも側にいてくれてありがとう。
いつも癒してくれる存在である犬に、私たちができること。
それは「今」この瞬間を大切にして、犬との心の交流を後回しにしないことではないでしょうか。
「ワンダフルドッグフィールド・ミゼット」とネーミングしたフィールドは、ミゼットの想いと歴代の犬たちと共に成長していきたいという想いが詰まっています。
ドッグデザイナー 国吉佐知子